PRIME SPIRAL

PRIME SPIRAL

2023.10.13 - 11.04

門田光雅

展覧会の概要

この度、MARUEIDO JAPANでは、10月13日より門田光雅の個展「PRIME SPIRAL」開催いたします。
静岡県で生まれ育った門田光雅(1980-)は2002年に東京造形大学美術学科絵画専攻を卒業。現在は埼玉県を制作の拠点に活動しています。
門田はキャンバスの上で色彩と絵の具の関係性に注目し、日本の新しい抽象表現を模索してきました。自身の内面にある感情や自然界にある構造などを考察し、本質とは何かを絵画を通して追求しています。幾層もの絵の具の重なりで描かれる門田の絵画は、混沌としているようでも見事に調和して見えます。
今年3月のM画廊(足利)の個展より、門田の関心が数学や物理学などに及んで来ているのが分かります。本展でも「Logos」「Pathos」「Ethos」 また「Origin」 「space‐time」 などのタイトルから、門田の関心は人間が長い歴史の中で発見、発展してきた哲学や、数学、物理学など自然科学へ向けられています。一つの事だけでなく多方面から、そして多角的な視点で挑戦し、それを達成しようとする門田は、絵画で世界の本質を模索しているように見えます。
本展は、その飽くなき探究心から、新たな領域の発見へと導く“序章”となっております。是非この機会にご覧いただければ、幸甚に存じます。

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PRIME SPIRAL

素数は、1と、その数自身でしか割り切ることができない数字だ。無限に存在するとされるが、その出現する法則性は、まだ分かっていない。素数を簡単なルールに従って渦巻くように平面上に配列していくと、特徴のあるパターンが次第に現れてくる。条件によって、垂線や水平線、対角線、放物線などの規則性が見え始め、さらに膨大な量の配列を俯瞰すれば、まるで銀河のような美しい形状や、神々しい放射線を描くこともある。この素数の螺旋による可視化は、従来は捉えられないはずのものにも何らかの傾向が存在していることを意味し、もしかしたら真理にも通じる隠れたヒントが、そこにあるのかもしれない。

芸術家は、その自身の内側から湧き上がる興味や欲求、衝動に従って、創作を尽きることなく続ける。初めから答えなどなく、正しい距離や間合いなども分からず、支離滅裂に矛盾していて、一般的には理解に苦しむこともある。ただそのような簡単に割り切れない物の中には、何らかの新しさや純粋さ・強さが含まれていて、芸術家たちは滑稽に今日まで絶える事なくその原石を探り続けている。文脈や歴史といったその痕跡を結んだものは、現在でも、まだまだ混沌として辿々しい畝りにしか見えないが、もし今後、私たちが絶えることなく無限の研鑽や挑戦を続けるのであれば、それは遠い未来に、美しい形状や秩序を持った総体として成り立つ日が来るのだろうか。

万物の深淵への入り口が、葛藤の螺旋を俯瞰したときに浮かび上がるのかどうかは分からないが、表現と向き合い巡り合う原初の歓喜の中に、全ての物事の始まりにも似た小さくとも確かな手応えがあることを私は知っている。

2023年8月 門田光雅

アーティスト

門田光雅