On the Ground / On the Table

展覧会の概要

この度、MARUEIDO JAPANでは、画家・小津航の個展「On the Ground / On the Table」を開催いたします。

小津 航は、1991年に東京で生まれ、愛知県立旭丘高校卒業後、東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了（2017年）、現在、茨城県取手市のスタジオ航大を拠点に活動してます。小津は大学院卒業後に自身の制作を振り返り、東洋美術の山水画、浮世絵、洋風画（油彩画が導入される前の江戸期の絵画）の表現に興味を抱いてきました。絵画の「静物画」、「風景画」、「人物画」などの基本な主題で描かれた過去の作品を考察してイメージを引き出し、東洋的絵画空間における「画家とモチーフの関係」や「絵画空間の設定」を探索しながら制作を行っています。

展覧会名の「On the ground / On the table」は東洋と西洋の静物画のタイトルから選んでいます。
ここ数年、小津がモチーフにしているリンゴは、西洋美術では卓上の静物画としてだけではなく、宗教的な象徴としても多くの作家に描かれてきました。そのリンゴをアトリエの床に置き、その周りを歩きながら焦点を移動させ、東洋的なモノの捉え方や絵画空間を意識し、キャンバスの前で再考します。

また人物画では戦後まもなく36歳で没した松本竣介の代表作「立てる像」（1942年作、神奈川県立近代美術館蔵）をモチーフに、時代は違いますが小津と同じ30歳で描いた画家の視点など考察した作品、また、絵具を頼りに描くモデルのいない肖像画、風景画では広重などの浮世絵や近代日本画で見られる雨の表現を効果的に画面上に使った作品など、モチーフは幅広く展開します。

是非この機会にご覧いただければ幸甚に存じます。