inside and outside

inside and outside

2021.07.10-2021.07.31

花房(鈴木)紗也香

展覧会の概要

この度、MARUEIDO JAPANでは花房(鈴木)紗也香個展「inside and outside」を開催いたします。

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今までずっと「内と外」の関係性を窓や鏡、画中画のような「フレーム」を手がかりに描いてきました。中と外が壁によって完全に遮断されているのではなく、互いを行き来するようにと。
しかし、どうしてか私の描く絵画の中は室内を軸にした視点になっていました。
今年になって制作し始めた「inside and outside」シリーズの絵画は室内を軸とする視点を意図的に外し、より室内と室外がつながっているような空間を描いています。

岡山県北の人口6000 人ほどの奈義町という小さな町に移住し、ペーパードライバーだった私も車を運転するようになりました。どこに行くにも、 車で自然の中を移動します。広大な自然が景色として広がっているけれど、整備された道路を走る車という乗り物の中から見ている「自然」は不思議な距離感がありました。

夜は動物の鳴き声が聞こえ、朝には大きな糞が家の前に落ちていることもあります。しかし、夜は暗闇で何も見えません。
近くにいるのに、見えない。掴めそうで、 触れない。 見ている景色の本当の色や姿を、私は何も知らない。

そんな生活の中、作品が外にあったらどうだろう?と思いを巡らすこともありました。
絵の中の空間としてアトリエを描くことも多い中、今までは画中画として「絵画作品」をメインに自分の作品の中に入れていました。今回室内を軸としない絵画、 外と中への視点がフラットになるような「inside and outside」シリーズとして、室内にも室外にも存在し得る彫刻を選び作品に取り入れました。

2019年に1年間フランスに滞在した際、マティスとロダンの作品を多く観て2人の作品の関係性について考える機会があったことは私にとってとても重要なことでした。

花房(鈴木)紗也香

アーティスト

花房(鈴木)紗也香
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