2021.10.26-2021.11.27
門田光雅
この度、MARUEIDO JAPANでは、10月26日より門田光雅の個展「Imaginary」開催いたします。
静岡県で生まれ育った門田光雅(1980-)は2002年に東京造形大学美術学科絵画専攻を卒業。現在は埼玉県を制作の拠点にし、栃木県足利市のM画廊、軽井沢セゾン現代美術館、大阪のTEZUKAYAMA GALLERYなどを中心に作品を発表して来ました。
門田はキャンバスの上で色彩と絵の具の関係性に注目し、日本の新しい抽象表現を模索しています。作品は様々な絵の具が画面上で鋭く、複雑に絡み合いながらも1つに調和しています。
本展では、今年から発表している「多面体」シリーズをさらに展開した最新作「manifold」を中心に、派生した様々なタイプの作品を発表いたします。門田が考える「部分と全体」の関係が、相反と統一のせめぎ合いの中で、見る側の先入観を揺さぶります。
是非この機会にご覧いただければ、幸甚に存じます。
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Imaginary
赤と青、そのどちらがキレイでキタナイのか?などを、私たちは決めることができない。
あるいは、東西や、精神と物質といったようなものの上下関係や、その強弱も、具体的に比べることなどできないはずだ。
一見すると真逆に見える物事にも、実は結び付きがあったり、一方的な側面だけでは、把握できないこともある。
「見ること 、それは眼を閉じること」
これはヴォルスの言葉で、私の第二冊目の作品集の巻末に、M画廊の三村さんが記してくれたものだ。
多くの人の目に映る一方性が、必ずしも真実で、正しいとは限らない。
「うつくしいもの」あるいは「退屈なもの」を捉えるためには、眼を閉じ、想像する力が不可欠だ。過去や背景、その因果も含めて、イメージや先入観を超えた先にある景色を見るためには、
これまでとは異なる場所の、思いも寄らない不確かさがむしろ大切だと、私は信じている。
2021年9月 門田光雅