2022.06.10-07.02
宮村弦
この度、MARUEIDO JAPANでは、墨象作家・宮村 弦の個展【BRAILLE CODE】を開催いたします。
宮村 弦は“前衛書以後”の作家として、書を大胆に解釈した作品を発表しています。近年は書の美意識を背景に、暗号、モールス符号、点字(BRAILLE CODE)などの言語記号やそのシステムを題材にした言語の新たなイメージを提起してきました。
本展出品のBRAILLE CODEのシリーズは、点字を文字の一つとして捉え、書の立場、晴眼者の視点から点字の視覚美や機能美を表現しています。作品は、点字が触れることで読み解かれていくように、用具用材が凹凸に接触することで立ち現れる現象を用いて構成していきます。また、作品に用いている布などの素材感は、
実際に手で触れた際の一つの鑑賞要素としても作用していくでしょう。
視覚障害者と晴眼者は、視覚を通して作品を共有することは出来ませんが、最終的に、相互に新たな感覚を得られることを展望しています。
梅雨の時期の展示にあわせ、尾崎放哉の雨の句などを視覚化した作品もあり、詩情と余韻が漂う空間となります。是非この機会にご覧いただければ幸甚に存じます。
-------------------------------------------------------------
「宮村弦が放つ墨象表現は『読む抽象』である。」
美術評論家・栗本高行
-------------------------------------------------------------