皮膚で「見る」

皮膚で「見る」

2023.09.15 - 10.07

北林加奈子、半澤友美、山西杏奈

展覧会の概要

皮膚で「見る」 

この度、MARUEIDO JAPANでは北林加奈子、半澤友美、山西杏奈『皮膚で「見る」 The Eyes of the Skin』を開催いたします。 本展覧会はフィンランドの建築家で現象学者のユハニ・パラスマー(Juhani Pallasmaa)の『建築と触覚 空間と五感をめぐる哲学』の文中にある「皮膚で〈見て〉いる」という表現から着想を得ています。 

北林 加奈子は〈 陶 〉に糸や木、ガラス、ウールなどの異なる素材を掛け合わせる彫刻、インスタレーションを中心に作品を発表しています。肌触りや気配を主題とした作品は、見る者の触覚を刺激し日常の記憶の中にある“何か”を想起させます。
 素材と素材との関係、鑑賞者と作品との関係、皮膚の下で呼び起こされる曖昧な記憶こそがリアリティーであることを認識させられます。 

半澤友美は、〈 紙 〉の成り立ちに着目し独自の造形作品を創り出しています。植物繊維の絡まりからなる紙は、その原料を幾重にも重ねると強固な物体にもなりえます。半澤は紙漉( かみすき )の技法を応用し制作した平面、立体作品、インスタレーションなどを展開してきました。ひとつひとつの繊維が手作業で成形されていく紙と自らの経験とを重ね合わせ、思考を巡らせる中で、作品に時間や記憶などを内在化させていきます。 

山西杏奈は、京都を拠点に活動し、主に〈 木 〉を素材とし、布や紐などの日常にある「もの」が持つ柔らかい生の表情、無垢な姿、透明感などに魅力を感じ制作しています。誰もが身近に触れたことのある「もの」の表面をモチーフにし、見過ごしてしまいそうな感覚、瞬間的な時間などを掬い取るように滑らかな表情を木に彫り込みます。その美しい肌理は自然のエネルギーを内包させて、体の表面に触れている感覚を想起させます。

参考文献 : ユハニ・パラスマー(Juhani Pallasmaa)著『建築と触覚 空間と五感をめぐる哲学』
 (2022草思社/百合田香織訳 原題「THE EYES OF THE SKIN Architecture and the Senses」

アーティスト

北林加奈子、半澤友美、山西杏奈